儲かるフードビジネスの4つの公式
飲食業は全国に約67万店。ピークだった平成3年の約80万店から13万店も減少しています。この点だけを見ると、飲食業は縮小市場のように見えます。しかし、スーパーやコンビニ、書店などと違い、消費者がその場で消費するため「インターネットショップ」との直接対決がないという強いポテンシャルを持っています。あのAmazon.comですらも飲食市場に参入する際は、飲食チェーンを買収して乗り込むほか手段はありません。
しかし、強いポテンシャルを持つ飲食ビジネスとはいえ、そう簡単にうまくはいきません。うまくいく店もあれば、失敗する店もあるのです。では、どのように戦い、どのように勝ち残ればいいのでしょうか。
そこで今回は4つの儲かるフードビジネスの公式についてご紹介したいと思います。
それでは早速いってみましょう!
① 「スタンダードな商品」を扱う
商品が特徴的であればあるほど、その「寿命」が短くなります。
一昔前に「白いたい焼き」というものが流行りました。中には、退職金をはたいて開業する人もいましたが、今はもうどこにも見かけません。
成功を収めているのは、カレー、とんかつ、天丼、コーヒーなど「スタンダードな商品」を扱う店が中心となっています。
② 規模は小さめに
店が小さいメリットは3つ。
出店経費が低いこと、回転率が期待できること、そして、撤退が容易であるということです。有楽町イトシアなどに店舗を構える「だし茶漬け えん」はまさにこの好例です。客数15人ほどで満員になる広さです。先行投資も少額で済むこともあり、約9ヶ月で店舗数を6倍にしました。
小さいことは良いことなのです!
③ 他社の方法をモチーフに
さきほどの「えん」では、セントラルキッチン、食券販売機など松屋、サイゼリアなどで効果を生んでいる方法を使っています。少し背が高く硬い椅子は、好調だったころのマクドナルドを思い出させます。
このように、他社でうまくいった方法の一部を使うことが成功の秘訣です。
④ 場所貸しをする(業態を変える)
たとえば、コンビニ。もはや「小売業」ではありません。駅前など人通りのよい売り場を確保し、各メーカに売り場を提供する「場所貸し」ビジネスなのです。
飲食業においても同じ形式をとるのが成功の秘訣です。
例えば、有楽町イトシアで展開する「東京カレー名店会」。
5つの有名店のカレーを出しています。席は10人分。一杯1300円もしますが、お昼時は行列ができています。
「カレー屋」ではなく「カレーを提供する場所」と捉えたのが成功の秘訣ですね。
さて、4つの公式をご紹介してきましたが、最後に少しだけ「やってはいけない」ことのお話をします。それは「商品単体で勝負をしてはいけない」ということです。
例えば、三光フーズが展開していた「東京チカラめし」。最近はすっかり見かけません。勢いよく出した「焼き牛丼」はあっという間に大手にマネをされ、居場所を無くしました。
(すでに事業は売却され、直近26年6月期の営業利益は▲22億17百万円、当期純利益は▲47億35百万円。売上高は前年比▲24.7%となっています)
商品の個性だけで勝負する飲食はとてもリスクが高いのです。
特に「流行」になってしまうと、それだけ飽きられるのも早く、また運よく残っても、大手にマネされるのがオチ。
勝負をするなら、先にあげた4つの公式が大事なのです。
定番商品×狭い場所+他社のいいところ
これこそが飲食ビジネスで儲かる秘訣です。
ファミレスのような大規模なものや、マスコミで取り上げられるような派手な
商品だけでは早晩通用しなくなるのです。
ぜひ、4つの公式を参考にして、儲けの仕組みを構築してください。